お部屋のご紹介

rooms お部屋のご紹介

フロアごとにそれぞれ個性が変わる水処稀荘。
1階は水まわりなど現代的な設備の生活空間、2階は水と土に還ってゆっくりと過ごす部屋です。

日田の素材と職人たちが
仕上げた「和」とヨーロッパ・アンティークの「洋」を融合した特別な空間

水処稀荘のコンセプトの一つである、「和と洋」「古いものと新しいもの」の二つのスタイルの融合。日田の職人たちが地元の素材を活かして仕上げた和の様式と、ヨーロッパのアンティーク家具など洋の様式を融合された特別な空間を体感することができます。

ぜひ日田にお越しいただいて、江戸時代の雰囲気が残る豆田の町を体験しながら周辺の豊かな自然や九州各地のスポットを巡り、日常の時間から離れて、ゆっくりと滞在してみてはいかがでしょうか。みなさんの旅の記憶を鮮やかに彩る場所となれたら幸いです。

1Fと2Fの間取り

1Fはキッチンやダイニング、浴室など水まわりの設備を備えた生活空間。2Fは職人の技術で仕上げた床の間や寝室、土壁と畳の空間となっていて、日常からしばらく離れてゆったりとした時間を過ごすことができます。

1F
2F

1F

キッチン、ダイニング、浴室などを備えた1階フロアの生活空間

玄関に入るとイギリスのアンティークのステンドグラスが迎えてくれます。どことなく山のような和風のデザインです。調理道具や食器に調味料も準備している1階のキッチン。近くに24時間営業のスーパーもあり、地元の食品を調理するなどして楽しめます。

ダイニングにはオーダーメイドの家具。ブラックチェリーのテーブルと椅子は日田の日東木工にこの場所に合わせて製作してもらいました。椅子の生地も水処稀荘ブルー。棚は日田の小さな製鉄所にオーダーし天板の木は日田杉古材で作られています。

宿の床は日田杉を敷いています。杉には何種類もの杉があって、その中でもまっすぐ伸びて床材に向いているアヤスギという杉を使用した、自然の温もりを大切にしたこだわりの床です。

広々とした洗面所には大きな鏡を設置。さらに洗濯乾燥機も備え付けてあるので、中長期の滞在にもとても便利です。風呂場は水が乾きやすいタイル貼り。大きめのテラコッタタイルで、風呂場でも使えるタイルを日田の左官屋さんに貼ってもらいました。

その他、地元の食材を購入して、1階のキッチンで食事を作ってみんなで楽しむこともできます。日田のオススメのお店や近所にある24時間営業のスーパーもご案内致しますので、ぜひ日田の味を楽しんでください。

2F

床の間・寝室

ベッドを採用したのは、腰の悪い方やベッドで寝た方が楽な方もいると思っためです。押入れに布団もあるので、どちらでもお好きな方をお選びいただけます。せっかくなので畳の和室で布団で寝るのがお薦めです。外国のお客様や普段和室がない家の方からは、畳の上で布団で寝たいというニーズもあります。小さなお子様と添い寝するのも布団が安全でお薦めです。

2階のリビングの低いテーブルはデンマークのアンティークテーブルでローズウッドという木を使ったもの。ローズウッドは希少で古い家具には使われていましたが、現在はもう伐採できません。ローズウッドの特徴である天然の深い赤色の表情を、クリアオイルで仕上げすることにより、より深い色に仕上げました。座布団は部屋の色や雰囲気にあったものを選びシンプルな柄のものを選択。テーブルは和室で使えるように脚を短く切り、日田杉の床にもマッチするようにしています。

2階のこの部屋の深い緑青色は“エラ”の川の色をイメージしました。まるで川の中に潜っているようなイメージ。川の中に”吸い込まれ”てしまうような感覚を味わえるかもしれません。

施工方法としては、 通常このような聚楽壁(一般的に民家で和室に使われている左官壁の1つ) をリノベーションする際には、そのままその上から色を新しく塗るということはありません。すべてを剥がしてまた聚楽壁を左官屋さんが塗るということを一般的に行います。

今回この部屋で行ったのは、布を染色するように少しずつ染めていく施工方法。手作業で薄く何層にも塗装を重ねていく手法により、均一ではなく褪せていたり、ムラがあったり、自然な風合いになり、光の当たり方や時間帯によって違った表情を見せます。この特別な色は水処稀荘ブルー(すいこまれそうブルー)と呼んでいて、水処稀荘の象徴的な色です。

特別和室 「ムの間」

日田の左官職人、原田進さんの原田左研の誇りと技術が詰まった土の中の部屋。原田左研は現代の建築材料を使用せずに昔ながらの素材と仕法で施工しています。各地の土、藁(ワラ)、海藻から作るノリ、漆喰、川の砂、色粉、などを組み合わせて、手仕事で無限の仕上げパターンを創作しています。

日田の土と藁(ワラ)と川砂が原料の土壁。壁は粗さを残した素朴な中塗り壁に。茶室を思わせるアーチ状の入り口。天井には日田土と漆喰と藁を混ぜた土漆喰仕上げ。その天井と壁との取り合いではグラデーションを作り出すために専用の手作りコテで仕上げた隠れた技を施しています。原田進さんの原田左研による技術の美しさです。

畳は既製品ではなく全て部屋に合わせて畳職人が制作しているので、その畳を再利用しています。九州のい草の産地熊本県八代産のい草を使用し、日田の畳職人が仕上げています。この和室の入り口は茶室のような造りに。入り口が囲われていることによって、他の部屋から独立した空間になっています。照明は日田の民藝である小鹿田焼のランプシェード。これはエラノイワのオリジナルプロダクトで、同級生で友人である小鹿田焼窯元黒木史人に依頼して、この「ムの間」のために特別に造られたものです。

原田左研 親方:原田進

水処稀荘を象徴する重要な土の部屋を創った原田進親方をはじめとした「原田左研」の職人たち。同じ職人の名刺には「壁を創る人たち」と書いてあります。しかし、壁を創ると言いながら、実は「壁と壁のあいだを塗る」という気持ちでやっています。土や藁や砂や貝灰を水とまぜて壁に塗ると、その壁に包まれた空気や雰囲気、つまり「あいだ」が人にとってえらく居心地が良いものになるから。

土壁を家に入れると家が良くなる。家と家のあいだに入れると街がよくなる。壁の影響力にワクワクと発見と驚きを持ちながら仕事をしていて、「ものをつくる喜びと塗っているときの気持ちよさ」が、左官の仕事の一番の魅力です。自然の理にかなって動いていること、それができている嬉しさ。もっと大きな何かが次に待っているような、ワクワクした気分になるのです。

それは、無償性、おおらかさ、命に寄り添うといった、土が本来もっている力に触れているためかもしれません。僕たちが土に感じている力、それを少しでもみなさんにお伝えできればと思っています。土や藁や砂や貝灰を水とまぜて壁に塗ると、その壁に包まれた空気や雰囲気、つまり「あいだ」が人にとってえらく居心地がいいものになるから。

土の部屋の施工完成時。原田左研・原田進親方(右)と水処稀荘オーナーの瀬戸口剛(左)。

その他、宿の設備について

書院建具の窓は、この部屋のために特別に製作されたもの。地元日田の素材と職人の手仕事で造られた内装や照明など、自然素材を使用しています。
2階のトイレの横にある手洗い鉢。設置するスペースを考えてあえて四角につくってもらったという。日田にある小鹿田焼のオーダーメイド。
1階のダイニングキッチンには水処稀荘ブルーの特製小鹿田焼のカップ。ドリップパックのコーヒーをお楽しみください。